ループフックカプラー顛末記(1)3D自作への道
OO9のカプラーといえば昔ながらのループフックタイプですが、これがなかなか一筋縄ではいかなくて、ずっと試行錯誤が続いています。
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発端は2018年の軽便祭。深く考えずにN台車にPECOの金属ループのものを取り付けていたところ、ポイントやセクション接続部でカプラーの自動解放が頻発…当日はループ同士つないでしまう荒業で何とか乗り切りましたが、課題が残りました。
ループの太さに比してフックが低かったのと、カプラーポケット内でカプラー本体がフラフラ動いてしまっていたのが原因のようです。
いくつか既製品も入手してみましたが、メーカーによって形は区々。そもそも基本的には輸入に頼らざるを得ないため、いっそ自分で設計してしまおう!と思い立ったのでした。
どちらかというとループの自作が肝になりそうですが、まずはカプラー本体の内製を目指しました。
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○プラ材からの自作
その前に、自作のフラットカーに使ったプラ材カプラーにも再度触れておきます。
簡単なジグですが、エバグリのプラ材を差し込んで取付ネジ穴、フック取付穴、ループ取付穴を順次あけられる仕組みです。フックは強度を考えて真鍮線を打ち込む形にしました。
前部を丸く削ってプラ板のバッファを付ければ一丁あがりという算段です。
振り返ると、これが意外と簡単にできたので、カプラー自作へのハードルが下がったように思います。
○3Dプリントその1
いよいよ本論。3DCAD使うのは初めてですが、参考書片手に見よう見まねで作ってみました。
※「鉄道模型3Dプリンタガイド(NEKO MOOK)」
大丈夫だろうとたかをくくって、いきなり本番の黒色ナイロンでDMMに発注。これ成型色じゃなくて染めてるんですね。ねじ穴やループ穴まわりはもうちょい厚くしといた方がよかったかな。
今回の個人的な肝は、カプラー腕上にループ穴があるタイプ。これがうまくいけば、ループづくりが圧倒的に楽になります。
走行テストしたところ、やはりカプラーポケット内はばねを残すよりもプラ板を差し込んで固定してやった方が調子がよいようです。
○3Dプリントその2
その1の結果を踏まえ、バッファやフックをひとまわり大きく作り直してみました(画像左下のもの)。また、ループ穴はカプラー腕上を基本とし、ストッパーを付けてループが上がりきってしまわないように工夫しました。
今回のはMJF方式のナイロン(PA12)でも出力してみました。積層痕がない代わりに、普通のナイロンよりもフロスティな感じですね。
ジグを使ったループづくりについては稿を改めます。